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2013年 03月 21日
朝一番の手術のため、夫や子供たちも朝から病室に来てくれた。
入院で一番気になるのは子供たちの事だけど、夫が休みを取って家にいてくれるのでとても心強い。 この日は朝6時半まで飲み物だけは取ってよいとのことで、6時半にがぶがぶと水を飲んだ。 静脈血栓予防のための弾性ソックス(スリムウォークみたいなの)を履き、ガウンに着替えてベッドで待っていると、いよいよナースがお迎えに来てくれる。 家族と共に歩いて手術室へ向かった。 二重になった入口ドアの手前で家族とお別れ。家族の不安そうな顔を見ていると申し訳ない気持ちでいっぱいになる。心配かけてごめんねー。 手術室に入るのは実に、看護学生時代の実習以来。 手術室指導者の言うことが何故かよくわからず、手術室の仕事では基本中の基本である「ガウンテクニック」なるもので怒られたおした私は、手術室恐怖症となり、自分は絶対に手術室で働いてはいけない人間だと確信もした。以後、仕事で手術室前まで患者さんを連れて行く仕事でさえもなるべく他の人にお願いするような始末だった。 というわけで、久しぶりの手術室は、これから自分が手術を受けると言うよりも、学生時代に怒られたことを思い出して変な緊張をしてしまった。 「緊張しますよね」と、病棟ナースが声をかけてくれるので「そうですね」と言ってみたけど。 手術室は大きくてたくさんの部屋があり、様々な患者さんが様々な手術を同時に受けられるようになっている。 最初の扉で家族と別れた後、椅子に掛けて、病棟ナースから手術室ナースへの申し送りを待つ。 その間には60代くらいのおばさんや、10代の女の子もいた。 みんな頑張るんだから、私も頑張るよ!と勝手に勇気をもらった。 いよいよ申し送りが終わり、二つ目の扉のところで病棟ナースともお別れ。 手術室ナースが私が手術を受ける部屋まで案内をしてくれる。 「こちらです」 部屋に入ると、麻酔医、産婦人科医、ナースと総勢10名程度が待ち構えていた。 防水シーツやいろいろなシートが敷かれた手術台に寝ると、両サイドからナースがさっとタオルケットをかけ、「この下でガウンを脱いでください」と袖を抜くと、手際よくガウンが両サイドから足先へくるくると丸められた。 次に「麻酔医の○○です。これから点滴で麻酔薬を入れていきますのですぐ眠くなりますよ」と声をかけられたと思うと、若い医師が左手の静脈にルートを取り、「薬が入っていくとスーッとするような感じがありますが心配ありませんから」と言われた。 なるほど、手先からスーッとする感じがするなあと思ったところまでしか記憶がない。 目が覚めると何もかも終わっていた。 正確に言うと、手術室を出るときはなんとなく意識があったような気がするが、もうろうとしていて夢の中のことのよう。はっきりと目覚めたのは元の病室のベッドの上だった。 左手には点滴。尿道カテーテル(おしっこの管)まで入っている。 ナースが「吐き気はありませんか?」と聞いていた。 「ちょっとあります」と答えると顔のそばにピンク色の容器を置いてくれた。もしものときはここに吐いてよいということだ。 「傷の痛みはどうですか?」と言われると、はて、私の傷とは? おへそと下腹部にいくつか穴が開いている以外は傷らしきものは無いけれど、子宮筋腫を子宮ごと取っているからかおなかの中はわりと痛いので、 「お腹の中は痛いです」と返事をする。 「手術時間、けっこうかかりましたね」とナースが言うので、予定の2時間よりかかったんだろうと判断するが、実際のところはわからない。「はあ、そうなんですか」と返事をする。 家族が「ママ、大丈夫?」と来てくれたので「大丈夫」とは言ったものの、あまり大丈夫にみえなかったらしく「あんまりいるとママが疲れるから」とさっさと帰ってしまった。 ここからは点滴と尿道カテーテルと、おなかの痛みに加え、水平のベッド上に寝ていなくてはならない苦痛との闘い。 これが想像以上に辛い!! 同じ体制だと腰や足が痛くなってくるから、横を向いたりするのだが、点滴と尿道カテーテルが引きつれて不快なことこの上ない。手術の疲れとダメージで寝たり起きたりしながら、痛みに耐えつつ体の向きを変え、苦闘しているこの時、頻繁に体温や血圧を測りつつ様子を見に来てくれるナースの存在のありがたさと言ったら!!特に、はきはきと明るく、患者が欲していることを的確にとらえ、丁寧に接してくれるナースが、この私の苦痛のベッドサイドに来てくれることの安心感は、それだけで自然治癒力を高めてくれたのではないかと思う。 昔、病院で働いていた時、患者さんから「看護婦さんがいてくれてありがたい」と言っていただいていたことが何度もあったのだが、その本当の意味をこの時まで知らなかったのだと思った。 もちろん、ナースとして決められた仕事があり、それを淡々と、なるべく笑顔でこなしているだけで、仕事としては成り立ってはいたのだが、患者さんの「ありがたい」にここまでの深い気持ちがあるということは、自分が患者になって初めてわかったことだった。 ナースは、ナースが思っている以上に患者さんから頼りにされているのだ。 痛みと不快とでストレスMAXになりつつもどうにか一日を終える頃には、 明日になれば点滴も尿道カテーテルも外れて、院内を歩き、昼からはごはんだって食べられる・・・ そのことだけを考えてただひたすらに今日と言う日が終わるのを心待ちにしていた。 この日の元気度 1/10
by phriky
| 2013-03-21 12:01
| 毎日のあれこれ
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